蓮な日記

LotusのF1が好きなので蓮な日記としましたが、音楽、靴などのテーマで綴ります。

ドラムにはないけどギターにはあるヴィンテージ楽器の評価の高さ

ヤマハレコーディングカスタムとLudwigブラックビューティー

アコースティックギターもエレクトリックギター(ベースを含む)もヴィンテージ楽器や、ヴィンテージとはいかないまでも、古い楽器に対する評価はかなりのものがあるようです。

戦前モデルから1960年代あたりがヴィンテージかと思いますが、国産に関しては日本メーカーの元気が有った1970年代から1980年代のギターも、ジャパンヴィンテージ(通称ジャパビン)と言われて、価格が高騰しているようです。

www.digimart.net

ドラムの世界では、Ludwigの1970年代の限られた時期のオリーブバッヂと呼ばれる、ジョンン・ボーナムらが愛用していたメタルシェルやブラスシェルのブラックビューティー。ジェフ・ボーカロが愛用していたメイプル単板シェルのSLINGERLANDのRADIO KINGなどごく一部のスネアの評価は高いのですが、ドラムシェルの構造上、何枚かの木材を高温の専用窯などで成型する関係で、ギターでいうところの合板であることがほとんどなためか、ドラムにプレミアム価格が付くことはあまりありません。損耗も激しい楽器ですしね。

ブラックビューティー現行品

ですから、最近弾き語りを始めてから、ギターのヴィンテージの世界にはただただ驚くばかりです。

www.j-guitar.com

ヴィンテージ楽器というのは、その時代の背景や、限られた時期に製造された希少性、その人にとっての物語が揃って成立するものだと思いますが、楽器にとって一番重要な要素である音色や演奏性はどうなのでしょうか?

一般的に、木材の種類や置かれた環境によって変化の度合いは異なりますが、木材は長い時間を経て朽ちていきます。よく言われるように、水分が抜けてセルロースの結合が強固になって一定のところでピークを迎えるのだと思いますが、朽ちてゆきます。

楽器の音色を決めるそのピークがどこいら辺りにあるのかを長い楽器製作の歴史の中でおおよその最適解を見出した結果が、今使われている材料に表れているような気がします。

ですから、適切な環境で使用されてきた楽器は、様々なリペアを経ながらかなりの年月が経ってもその役目を果たせるのだと思います。ヴィンテージ家具などもそうかもしれません。

よくヴィンテージギターの音色を表現する時に、『枯れた音がする』という言葉を使います。個人的には、劣化を表現しているのではなくて、経年変化による音色の変化を大雑把に表現しているのだと思います。そして、それはある意味において正解で、ある意味において不正解かもしれません。

以前にも書いたのですが、あるライブハウスでお借りした1970年代のMartin D-28や1960年代のGibson J-50は、高音が耳につくほどピーキーでした。セルロース組織が強固になって高音が響きやすくなったのか、まさに材が枯れたことで中・低音の出方が落ち着いてきたので聴感上そのように聴こえたのか…

このあたりは、『音質』の変化とは言わずに『音色』の変化と言いたいところです。