一応本来はドラマーなのでドラムセットのご紹介を。
ヤマハ レコーディングカスタム
ドラムセットはヤマハ YD-9000RCのセットでレコーディングカスタムという呼称は1985年から。
サイズは、タムタム が 10"×9"、TT 12"×10"、TT 14"×12"、TT 16"×14"、バスドラム が22"×16"のフロアタムレスセット。YD-9000系 統はラグがハイテンションラグと言って打面のラグと裏面のラグが一体になっているのが特徴です。
タムタム はY.E.S.S(Yamaha Enhanced Sustain System)というフローティングシステムになっていて、他社がやたらとフローティングマウントをやり始めて、ヤマハ もやや遅れて1994年にこの独自マウント方式を導入しました。
シェルはバーチです。バーチ材100%もYD-9000系 統の特徴ですね。
セットを全部揃えたのは1995年頃ですが、ドラムを始めたころの世の中はジャズ・フュージョン ブーム。ドラムを始めた1980年頃当時からのアイドルだったスティーブ・ガッド と同じセットで揃えました(スネアやシンバル除く)
ヘッドは表がREMOピンストライプ、裏がREMOクリアーアンバサダー。バスドラにはREMOのミュートリングを装着。バスドラの中が黒く見えるのは、アコースティックギター とは異なり内部も黒く塗装されているためです。
スネアドラムはヤマハ MSD-0115 Maple Custom 5.5"。メイプル7プライで本来はアルミダイキャストフープでしたがウッドフープを装着したもので、やっぱりロックドラマーぽくありませんね(笑)
シンバルは全てA.Zildjian。右からNew Beat HiHats 14"、Splash 12"、Thin Crash 16"、Splash 10"、Deep Ride 22"、Medium Thin Crash 16"、China(High) 18"という組み合わせで、SplashとMedium Thin Crash以外はやはり1980年頃に購入したものです。
www.zildjian.jp
Splashは完全にポリスのスチュワート・コープランド の影響です。ちなみにバスドラの上に写っているステックは、大好きなウエザー・リポートに在籍していたピーター・アースキン モデル。
ペダルはFP-710
写真のLudwig Black beauty 6.5"(前面当たりスナッピー:スーパーセンシティブ)も持っていましたが、あこがれのサウンド エンジニアであるボブ・クリアマウンテンがロキシー・ミュージック の「アヴァロン/AVALON 」等のレコーディングで使用していた70年代モデルに憧れて購入したものの、金欠で手放してしまいました。
www.nonaka.com
ペダルはヤマハ FP-710。低価格帯を除けばチェーンドライブが一般的ですが、この機種はベルトドライブになっています。1980年ころ購入したもので今も現役!さすがに現在は生産していない模様でしたが、後継機種であったFP-720が復刻していて、ベルトドライブの根強い愛好者がいるのがわかります。
jp.yamaha.com
ちなみにハードウエアはヤマハ が一番だと思います。特にタムタム を固定するボールマウントシステムは30年経ってもびくともしません。他社のはねじがすぐダメになる印象です。
Artist'sでのライブにて
ヤマハ のサイトによれはYD-9000シリーズ(現在のレコーディングカスタム)は1977年に誕生したそうです。
パールやタマに比べ倍音 が抑えめなので、ミュートしなくてもまとまりのある芯のある音という印象です。楽器屋さんによればシェルの角度や形状を緩やかにして倍音 をコントロール してマイクでの収録に適したサウンド になるとかで、同社のアコーステックギターもこの傾向だったのかな?
確かLAシリーズは倍音 をコントロール してレコーディングしやすいサウンド を目指したとヤマハ のアコーステック解説本ムックに書いてありました。
そういえば1980年頃のドラムサウンド は、スティーブ・ガッド に代表されるすごくタイトな音色が流行っていたっけな。
レコーディングカスタムは2014年いったん廃盤になりましたが、2016年に再登場したようです。時代の流れか、シェルのエッジ角度や形状が変更されて、オープンなサウンド になったそうです。
jp.yamaha.com
当時オープンなサウンド を好むドラマーはパールや、1991年に発売されたヤマハ メイプルカスタム(現在は廃盤になり、新ツアーカス タムが後継モデルのようです)に流れたような気がします。
なお、それまでの国産のヤマハ ドラムは実は日本最古のドラムメーカーであるサカエド ラム(サカエリズム楽器)のOEM だったそうですが、ヤマハ の海外工場建設などでOEM を解消。その後2018年に経営破綻したものの、KORG の支援により2019年SAKAE OSAKA HERITAGE として再建し、現在は設計開発を大阪で、生産は台湾工場で行われている模様です。