蓮な日記

LotusのF1が好きなので蓮な日記としましたが、音楽、靴などのテーマで綴ります。

本郷姉妹2回目のライブ

昨年、国立富山工業高等専門学校軽音楽部の先輩方と結成した『本郷姉妹』で、6月16日のArtist's Liveに出演しました。

本郷姉妹のステージ

今回は、Cat's EyesのCE1500を初めて実戦投入。以前の投稿で紹介したパッシブタイプのコンタクトピエゾも初めて実戦投入です。

高音弦のパキパキした感じが取れなくて、ピックアップの貼り付け位置は考え直さなくちゃいけないかなぁ。PAさんありがとうございました。

今回はボーカル陣に助けられました。

セットリスト

365日の紙飛行機、待つわ、サラダの国から来た娘、雨の物語、時代

出演

ポニーテール、本郷姉妹、スダックス、MASA、あさみ

共演のみなさん

 

Cat's Eyes にコンタクトピックアップ

Cat's Eyes CE1500にパッシブタイプのコンタクトピックアップを取り付けました。今回もTSピックアップの2ピックアップです。

左1弦側、右6弦側

Birdland製OBP-Excellent デュアルコンタクトピックアップと比較すると低音がやや弱めで、どの位置で試してもプレーン弦が少し強めに出ますが、EQで補正できる範囲。

リアルタイムアナライザアプリと耳を頼りにイコライジングしてみましたが、自宅で音出しに使えるのはRolandのAC-40のみ。125Hzと500Hzブースト、1.2KHzと2KHzをカットしてみましたが、エレアコ用アンプは低音などに癖があり、PAで出す音とはずいぶん印象が変わるので、あとはライブハウスでのセッティングでなんとかしようと思います。

フォークユニット本郷姉妹でデビューさせる予定なので、練習でまずは音出し。

練習と言ってもスタジオではなくカラオケ屋さんなので、PAシステムの音ではなくAC-40なのでやはり少し固めな音ですが、何とかなりそう。

ライブでのアコギの音の決め手は本体?ピックアップ?それとも

弾き語りライブでのアコースティックギターPAはマイク収音がベストだと考えていますが、実際にはピックアップによる収音が一般的です。

今でもたまにPAをすることがあるのですが、その時はプリアンプとしてL.R Baggsの"PARA ACOUSTIC DI"を持ち込みます。プロアーティストのライブでは、吉川忠英さんや三上寛さんのライブでも使用させていただきました。

L.R Baggsのプリアンプ"PARA ACOUSTIC"

三上寛さんとヤマハLL-16

吉川さんは、ボーカルと同じ種類のホールリバーヴを深めにかけるのが好みのようで、それ以外のリクエストはありませんでしたが、作りこんだギターの音色にさせていただきました。

三上さんは何のリクエストもありませんでしたが、ヤマハLL-16の音色は素晴らしく、"PARA ACOUSTIC"のEQはほぼフラットでしたが、アンダーサドルピエゾぽくないナチュラルなアコギの音になりました。

さて、観客としてライブにを聴きに行くと、高級ギターにアンダーサドルピエゾ(インブリッジとも言いますね)で良い音がしている場合もあれば、逆にピエゾ特有の音しかせずに、せっかくの高級ギターが勿体ないケースもあります。

その点、タカミネやヤマハ、Taylor(テイラー)、Ovation(オベーション)は、ギター本体とピックアップ、プリアンプがシステム化されていて、生ギターとは異なるエレアコとしての音を追及していて素晴らしいと思います。

タカミネとヤマハエレアコ

最近は、マグネットピックアップとコンデンサマイクとのデュアルシステムも見かけるようになりました。

マグネットピックアップとマイクのバランスがうまく取れれば自然なアコギぽい音になりますが、アンダーサドルピエゾ同様に高級ギターにもかかわらずペチャペチャしたエレキっぽい音にしかならない場合もあって、悩ましい問題です。

コンタクトピエゾ装着のヤマハN-1000

自分のギターには、弾き語りということもあり、コンタクトピックアップ(貼り付けピエゾとも)を使っています。パッシブなのでプリアンプ必須です。

中ぷはEQ、右がプリアンプ

というかプリアンプ次第で音が決まると思います。

アクティブタイプのピックアップは電池交換の手間を除けばお手軽ですが、プリアンプの性能は十分とは言えません。

勿論、ギターとの相性だとか奏法の問題は有るかもしれませんが、ぜひお気に入りのプリアンプを探してみましょう。

なお、自分のシステムではEQを使っていますが、コンタクトピックアップはハウリングに弱いことから、あくまでその補正用で、積極的に音作りのために使っているわけではありません。

ピックアップで収音した音はいくらEQで補正しても、良くも悪くもエレアコの音です。当然のことながら生ギターの音にはなりません。リハーサルで音作りを追い込める時間があれば、ボディの鳴りを強調したりして音作りも出来なくは無いですが、私のようなアマチュアの出入りの多いライブの場合はせいぜいアンダーサドルピエゾのプリプリした音を少しカットするのが関の山です。

ですからなおのこと、プリアンプの基本性能が重要になると思います。

ZOOMのようなモデリング機能のついたプリアンプも良いと思います。ただし、あくまでもモデリングの音として割り切って音作りするのがベターだと思います。

では自分のお気に入りのギターにピックアップを付けるのは意味がないのか?

そんなことはないと思います。ピックアップで収音した音は生音とは違うのだと割り切ったうえで、ピックアップやプリアンプを選んで、お気に入りの愛機にライブ用のあらたな価値を与えてあげればよいのではないでしょうか?

アコギの名盤紹介その1中島みゆき「あ・り・が・と・う」

自分の好きなアコースティックギターサウンドが聴けるアルバムの中から、中島みゆき1977年発売のサードアルバム「あ・り・が・と・う」を紹介してみたいと思います。

おそらく中島みゆき本人が弾いていると思われるアコースティックギターと歌のバックを、坂本龍一、のちに沢田研二を支えるベーシスト吉田健、ジャズギタリスト杉本喜代志、浅川まきの専属ドラマーだった小松崎政雄といった勢いのあるミュージシャンが支えます。

何てことのないフォークソングのアルバムのようでいて、編曲者としてクレジットされている日本を代表するサウンドエンジニアの吉野金次の影響が大きい骨太なサウンドが魅力です。

A面(タイトルの後は編曲者)

  1. 「遍路」 吉野金次・・・中島みゆきのシンプルなスリーフィンガとベースラインに、音数は少ないけれど以外にロックなベースが被さり、間奏では杉本喜代志の軽快なソロが楽しめます。かなり悲惨な振られ女の自虐的な内容の歌詞ををあっけらかんと歌う中島みゆきのボーカルとの対比が味わい深い曲です。
  2. 「店の名はライフ」 吉野金次・福井峻・・・野太いバスドラム吉田健のプルが多用されたロックなベースに、箱鳴りの聞こえるシンプルなアコギがかっこいい。
  3. 「まつりばやし」 福井峻・・・父の死をモチーフとした作品(コンサートのMCより)。かなり早いテンポのアルペジオに四分音符の6弦・5弦のベース音が鳴り続ける印象的な曲。イントロ・間奏ではこのアルペジオに加え同時に鳴らすメロディーラインが加わり、難易度の高い弾き語りです。
  4. 「女なんてものに」 吉野金次・福井峻・・・歌謡曲フォーマットながら、特徴的なAメロのアルペジオと、遠くで鳴るタムタムフィルイン、情熱的なガットギターのソロ。歪むぎりぎりのレベルで録音されたような音圧感が吉野金次らしさを感じます。

B面(タイトルの後は編曲者)

  1. 「朝焼け」 吉野金次・福井峻・・・この曲もバスドラ、ベースのコンビーネーションに坂本龍一のエレピのソロが当時のクロスオーバーサウンドを感じさせる名演奏です。
  2. 「ホームにて」 福井峻・・・後に大ヒットシングル「わかれうた」のB面としてシングルカットされた名曲。この曲を弾きたくてアコギを始めた方も多いのではないでしょうか?下降するベースラインの美しいアルペジオとシンプルなプリングオフとハンマリングオン。間奏部分のアルペジオにかぶせるさりげないメロディは中島みゆきの真骨頂。
  3. 勝手にしやがれ」 吉野金次・・・いかにもフォークギターと言った弾き語りに、吉田健の骨太なベースが絡みます。
  4. 「サーチライト」 吉野金次・福井峻・・・吉田健のゴリゴリしたベースを土台にしたバンドサウンドに絡むホーンセクションが魅力的。
  5. 「時は流れて」 吉野金次・福井峻・・・泣くような中島みゆきのボーカルですが、バックのサウンドはこのアルバムの統一感を感じるライブ感があり、単なるフォークソングのアルバムと一線を画す、締めに相応しいサウンドです。

このアルバムから、「生きていてもいいですか」までは、骨太サウンド時期と勝手に思ってます。現代のサウンドからすると物足りないと感じるかもしれませんが、それなりの音量で是非聴いてください。

5月25日のArtist’s Live に出演しました

5月25日のアーティストライブに出演しました。何時もの通り、全曲中島みゆきナンバーです。

今回はヤマハのN-1000にいつものコンタクトピックアップと持ち込みのボードでした。

TrialのプリアンプにSource audioのEQ2、ONE Controlのリバーブのセットです。

EQ2は音作りと言うよりハウリング対策で、リバーブはかけっぱなし。

バンドが多かった中でのトリだったのでアウェーな心境で臨みましたが、皆さん本当にフレンドリーな方ばかりで、アットホームなライブでした。

バズ音が酷くて迷惑かけましたが、どうやらナットの割れが原因でした。

セットリスト

あぶな坂、ミルク32、鳥になって、まつりばやし、杏村から、ホームにて、この世に二人だけ、蕎麦屋

出演

マツバイナモト、AMAYETAT、ポニーテール、Happy Blue Heartsしきだひろのり

オール単板?それとも

ギターのボディに使用する材料の構造の違いによって、オール単板、トップとバック単板、トップのみ単板、オール合板に区別される事があります。

所有するギターでは、Cat's Eyes CE1500とHeadway HJ-908がオール単板、ヤマハN-1000がトップのみ単板、ヤマハFG-201BとモーリスW-25がオール合板です。

Cat's Eyes CE1500(オール単板)

ヤマハ N-1000(トップのみ単板)

一般的には、高価格帯へ行くにつれてオール単板が増える事から、オール単板は音が良いとされていますが、やはりそうなのか?

弾いている時は、オール単板とトップのみ単板だと、ギター毎の個性という範囲での区別はついても、オール単板かトップのみ単板かという区別は正直言ってつきません。

ただ、ギター正面の音を録音して聴いてみると、違いというか傾向みたいなものが割とはっきり判ります。オール単板の方がギター全体の響きや余韻が豊かで、奥行きのある立体的な音像を感じます。

いきつけのフォーク酒場に置いてあるMartin 000-28や000-42、D-45やGibson J-45なども、概ねそのような感じです。

トップのみ単板のN-1000でもこうした余韻などを感じるのですが、ややこもった感じがします。よく言えば丸い音、柔らかい音。

なお、タカミネなどエレアコに特化したものは、高価格帯でもトップのみ単板が殆どで、それはコストカットではなく別の狙いだと思います。

オール合板の場合は、奥行き感の少ないやや平面的な音で、こもったような音になりますが、オール合板でしか味わえないサウンドは別の魅力も有りますね。

ただ現在は通販サイトなどで販売されている廉価版ギターを除けば、ヤマハなどのメーカーの入門機にオール合板は無くて、トップのみ単板になっているようです。

バンドメンバーのヤマハFG-730Sは入門機のトップのみ単板ですが、実にパワフルかつ煌びやかな音がします。

さて、個体差や調整の悪さでオール単板でも奥行き感や余韻が感じられない個体も有るには有りますが、概ね傾向としては以上のように言える気がします。

とはいえ、オール単板が最高のギターかと言うと、演奏するジャンルや好みでそれは人それぞれ。また、少し位の煌びやかさや余韻の差ですあれば弾きやすい握りのギターの方を選んだり、好きな色やデザインを優先するのもありなのだと思います。

ピックアップのお話(コンタクトピックアップその2)

ライブでアコースティックギターの収音をマイクで行った事を書きましたが、実際にはピックアップでの収音の方が多いと思います。私はコンタクトピックアップを主に使用しているのですが、新しい製品を試したのでレビューなど…

TSコンタクトピックアップ(パッシブ)

TSコンタクトピックアップ

以前記事にしたのは、Birdland製OBP-Excellent コンタクトピックアップ。

lotus79.hatenadiary.org

こちらも同コンタクトピックアップの記事です。

lotus79.hatenadiary.org

他のギターにも搭載しようと思っていましたが、残念な事にピエゾ素子の入荷の目途が立たず、現在は販売休止中との事。

そこで自作や安価な中国製の製品も検討したのですが、TSギター教室が製作している、TSピックアップのうち2センサーのパッシブタイプがよさそうだったので購入して、ヘッドウェイHJ-908に取り付けてみました。

guitarsk.com

コンタクトピックアップの長所は、表板の振動を収音するので、他のピックアップに比べ、アコースティックギターの生音をそのまま増幅してくれるような自然な音色が得やすい事です。

貼る位置で音色が変わりますが、推奨位置を参考に、6弦側のブリッジプレートの端と1弦側のブリッジプレート外側の表板裏に貼りました。

他社の製品も同じような位置を推奨していますので、闇雲に位置決めするのではなく、ここを基準に試してみるのが良いかもしれません。

手順

1. ボディ内部にLEDライトを入れて、ブレーシングの位置を確認しマスキングテープ貼る。

ブレーシングを確認

2. 予定した位置に磁石を仮止めし、ピックアップ側にも磁石を仮止めして位置を確認。

磁石を仮止め

3.音出ししながら最終的な位置を決めてから、ピックアップの両面テープで固定

内部の様子

ちょっと6弦側の位置がずれてしまいましたが、まあ良しとします。

レビュー

OBP-Excellentと比較して出力は小さめですが、必要十分。

センサーの大きさが少し小さいためか、やや高音寄りの音色ですが、キンキンしたいやな感じではなく、すっきりとした音色です。

なお、TRSプラグでTIP側とRING側を別々に出力させたのが正解だったようで、プリアンプ側でTIP側のフェイズスイッチを反転させたところ、ややこもって弱く感じた低音もふくよかな音で出力されるようになりました。

OBP-Excellentよりも低音のブーミーさが抑えられているので、あまりイコライジングしなくてもライブで十分使えそうです。

まとめ

ピエゾ素子などの圧電素子を使ったスピーカーは、ブザーなどだけではなく高品位のスマートフォンのスピーカーにも使用されているそうです。

マイクとスピーカーは同じような仕組みで使い方が逆なだけなので、言ってみればボディ全体がマイクになるようなイメージでしょうか?

また、パッシブタイプなので、いちいち電池交換が必要ない事も長所かもしれませんし、比較的低価格な製品も多いようです。なお、プリアンプを組み込んだアクティブタイプも存在します。

短所は、長所の裏返しになりますが、ボディ全体の振動を収音するのでハウリングしやすい事でしょうか?ただし、適切なイコライジングで抑制できますので、弾き語りや少人数のアンサンブルでは問題なく使用できると思います。

また、パッシブタイプなので、出力がハイインピーダンスな事やアクティブタイプに比べ出力レベルが小さいので、プリアンプは必須です。

あとは、貼り付けが甘いとキンキンした音になったり、出力が低くなったりするようです。

プロや上級者の場合は、M-factoryアンフィニカスタムワークスのように、コンタクトピックアップの欠点を補うため、マグネットピックアップと高性能プリアンプを組み合わせたシステムを使っている方も多いようです。

アンダーサドル(またはインブリッジ)ピエゾピックアップのブリブリした感じが好みではない方は、コンタクトピエゾ単独又はコンタクトピエゾとほかのピックアップを組み合わせたシステムは、検討する価値があると思います。