東海楽器製造(以下、東海楽器)は、1970年代初めにCFマーティン社の国内総代理店となり、技術提携も締結して、アコースティックギターブランドであるCat's Eyes(キャッツアイ)を1975年に立ち上げたそうで、いわば本家公認のレプリカモデルを製造販売していたわけですね。
ギターを始めたころの友達の中では、ヤマハ、モーリスに次ぐ所有率だった気がしますが、すぐにバンドを始めてドラムに転向したので、Tokaiブランドのエレキギターのイメージが強くなったことや、PAミキサーとして勤務していた市川市文化会館に東海楽器のチェンバロがあったので、アコギを作っていたイメージはすっかり忘れ去っていたのですが…
そんな東海楽器が、マーティンD-28の戦前(プリウォーとも)モデルレプリカとして、1980年頃から1983年頃に販売していたのがCE1500です。シリーズ名はずばり"CE Vintage Martin Replica”です。
ちなみに、1984年のカタログでは、ラインナップから消えて、新たに、TCM VintageシリーズのTCM150Vが、D28をパーフェクトレプリカしたモデルとして掲載されていました。
ヘッドにはブランドロゴが無く、フラワーポットインレイ(又はトーチインレイ)と呼ばれるインレイが施されています。ヘッドのバインディングもなくてシンプルで素敵です。
実は、たまたま見ていたオークションアプリで「綺麗なトーチインレイだな~」と眺めていて、お気に入りに登録しようとして間違って購入ボタンを押してしまったことに後で気が付いたのですが、割合安い価格での入札だったし、レアなモデルなので、どうせ放置しても他の誰かが落札するだろうと思いきや…
トップとサイドに割れがあるほか、エンドピン周りにも割れと思われる何個所もあってジャンク品として出品されていたのですが、到着してみたら写真ではわからなかったトップの割れがもう一か所。
でも、マーチンレプリカの純正ブルーハードケースもついているし、ま、いいか。
しかし、鳴らしてみるとこれがいい音がするのです。ローズウッド系のオール単板は初めてだったので、ちょっと感動です。
このまま様子を見るか修理に出すか思案中です。
参考までに主要緒元を掲載します(1981年のカタログ参考にしました)。
弦長 | 645mm |
ナット幅 | 約43mm |
表板 | エゾ松単板 |
裏/側板 | ローズウッド単板 |
ネック | マホガニー |
指板・ブリッジ | エボニー |
サドル | ロングスロットベリーサドル |
バインディング | ヘリンボンバインディング |
インレイ | スロテッドダイヤモンズインレイ |
ピックガード | タータスシェルタイプピックガード |
仕上げ | オールドカシューフィニッシュ |
ブレイシング | スキャロップドXブレイシング |
ペグ | クルーソンタイプ |
製造時期 | 1981年から1983年 |
発売当時の定価 | 150,000円 |